九雀亭2020年2月号

「貧乏花見」は、もちろん東京の「長屋の花見」ですが、最近は若い噺家さんはあまりやりませんね。ネタバレを承知で言いますが、お酒の代わりにお茶けだったり、卵焼きじゃなくて沢庵だったりする貧乏感覚がもう伝わらないのでしょうね。時代の取捨選択は無差別です。それでも楽しませてくれる九雀さんを待ってます。
「壺幽霊」は30年前に書かれた新作だそうです。タイトルから想像するのは、昨年ディズニー映画にもなった「アラジンと魔法のランプ」のようなファンタジーです。まさか恐ろしい怪談噺ではないでしょう。九雀さんは、ウィル・スミスを超えられるでしょうか?
「帯久」は、珍しい噺の部類に入るでしょう。私も2度しか聴いたことがありません。ある商家の栄枯盛衰を描いた、とても真面目な物語で、しかも長いです。落語の定義とは何だろうかと考えてしまいました。
お侍などが多く登場して地の語りが多いのが講談、会話で物語を進ませて笑いが多いのが落語と言い切れるでしょうか? 面白い講談や浪曲もあるし、そんなに面白くない落語家さんもいます(失礼)。
身の回りの笑い話ばかりして高座を終える人や、人情噺をたっぷり聴かせる人もいます。乱暴に言えば、落語家が話せば全て落語になるのかもしれませんが、お客様も少し評論家になったつもりで考えてみるのも楽しいかもしれません。滑稽噺を得意としているはずの九雀さんが、どんな顔をして高座に上がるのか、私は興味津々です。




九雀亭


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