大名古屋日記 2月8日 明日はCBCの昼帯ドラマ「コンビニまりあ」ロケ初日。撮影が午前開始のため先乗りで泊まる。 名古屋のホテルに着いて早々に独りで遅い晩飯。近所のきしめん屋「まるみ亭」に入り、”五目あんかけ”を注文。ここの麺は馬鹿に太かった。あんかけが熱かった。TVで評判とやたら店内に書かれていた割には味は普通だった。これがTV番組の取材だったらコメントに困るなあと思った。普通だから。 部屋に戻ってパソコンを開く。そうです。ノートパソコンです。去年の暮れに買ったのです。はじめて旅に持ってきてみました。なんだか嬉しい。これがあればあんまり飲みに出歩かなくてすみそうです。HP更新用のテキストを書く。バッテリーが無くなってきたので終了し(アダプターコードを持ってくるのを忘れてました)、缶ビールを飲みながらTVでやってた市川雷蔵(若い人は知らんだろう)の「眠り狂四郎」を見る。これが意外に面白かった。かなり一所懸命に撮っている。町のモンタージュなんかも良い。監督は三隅さんという人だった。 2月9日 ロケ初日。お巡りさんの衣装を着る。最近お巡りさんの制服って変わったんですね。オシャレになったし、身に着ける物も違ってました。 今日は自転車に乗って巡回中に旅支度をしたまりあちゃんに出くわす場面。彼女は深刻な状況んだがお巡りさんはお気楽なもんという設定。栃木弁を使う役は初めて。昨日から来てる割にはあっという間に撮影が終わる。アドリブも入れたりしてみたが、すんなりOK。すんなり過ぎてちょっと気抜けする。私のアドリブにまりあちゃん役の北川弘美(この子は結構しっかりしてそうだ)ちゃんのマネージャーが笑っていた。 終了後は早々に帰京。その足で南河内万歳一座の芝居を見に行く。 2月13日 また先乗り。CBCのディレクターさんと今回栃木弁の方言指導でお世話になっている役者の手塚さんと飲みに行く。私の先導で昔馴染みの鉄板焼きの「てっぱん」に行く。中日劇場の裏あたりにあります。私は”とろろ豆腐焼き”が好きです。 ドラマの話なんかをしているうちにうちのマネージャー星澤も合流。ワーワー喋って、そのままの勢いで住吉の「パーティハウス25」へ流れ込む。ここはオカマの従業員が多い店だ。店内のBGMはうるさいが、彼らもうるさい。でも私は大好きだ。私は”のんけ”だがこの店は好きだ。面白い。気楽である。発散できる。話し込んでも平気だ。遅くまでやってる。つまみはないも同然だが、ここに来るときにはもうかなり酔ってるから気にしない。この後帰ってから店に荷物を忘れてきたことに気づき、かなり面倒くさかったが一人で取りに戻る。その帰り道に欲望に負けて”飲んだ後のラーメン”を食べてしまう。太るぞとは思ったが、どうしてどうして美味かった。全部きっちり平らげてしまった。「異人館」。また来てしまうかもしれない。ホテルに戻って膨れた腹をポンポン叩く。これが日常の動作になってしまった。 2月14日 スタジオ撮影初日。今回は役者さんも大勢揃っている。化粧前が隣なのは中上正巳君くん。山瀬まみちゃんの旦那さん。コンビニ家族の次男坊、官能小説作家の役。随分さわやか青年な官能小説家である。その向こうが遠藤太津朗さん。ボケ爺ちゃんの役。 最初は銭湯の休憩室の場面。まりあちゃんのお風呂上りの魅力にお気楽スケベな私と中上君が興奮するところ。 撮影があれよあれよと進み過ぎることや、カメラ割りが決まり過ぎかな?なんてことなどに少々戸惑ったが、昼帯なりの撮り方もあるのだろう。このリズムに慣れることと、それでも自分らしさを出すことが課題である。中上くんも同じようなことを言っていた。 そこへ水沢アキさんが賑やかにスタジオに入って来た。近所のスナックの年増のセクシーママさんという設定。なんでセクシーママさんが銭湯に来るのだろう?平和な町だ。この役は多分におしゃべりオバさんなのだが、実際のアキさんもよく喋るのでぴったりの役だ。去年のNHKのドラまで夫婦の役をやらせてもらったが楽屋でも賑やかだった。今回は私と二人の掛け合いがかなり多いが、去年共演した分気が楽だ。顔合わせの時の本読みでも一番アドリブが言い易い相手だった。 そんなこんなで撮影の時間は巻きに巻き、3時頃には私の撮影は終了。いきなり明日は撮休。中上君と夜飲みに行く約束をして、名古屋氏スポーツトレーニングセンターに向かう。オッ、真面目である。”飲んだ後のラーメン”分の脂肪を出そうと少し頑張る。 そして8時、中上くんも誘って名古屋の夜の帝王Tさんと繁華街の錦に繰り出す。後は食べて飲んで歌ってワーワーである。勢いがついたのでまた「パーティハウス25」に寄る。勢いついでにカウンターの中に入って従業員になったりする。今日は従業員が総出でケンちゃんもコースケもクロちゃんもカズマもあとみんないた。くやしいことに中上君がオカマにも女の子にも目いっぱいモテテいた。 そうそう今日はバレンタインデーだったんだ。気づいたら大きな紙袋に入ったチョコレートを抱えることになっていた。 2月15日 撮影はお休み。遅い起床。昼飯を食いに栄の「えびすや」に行く。手打ち実演でも有名だが、ここのそばは美味い。 最近お気に入りの左写真の”海老おろしそば”を注文。2年ぐらい前にコニタンに薦められて食べてからはまっている。腹が減ってたので大盛りにしたら、予想以上の量になって食べ残す。 ホテルに戻ってHPの更新作業。明日の台詞の確認。 友人のIさんの家で水炊きをご馳走になる。Iさんとは釣り仲間でもある。元々は渋谷でお店をやってたんだけど、娘が生まれて奥さんの実家がある名古屋に越してきた。1歳5ヶ月になるお嬢ちゃんとご対面。まだ言葉はほとんど話せないのだが「イヤ」ははっきり喋っていた。否定語から覚えるとは。それとしきりになにか言おうとする。言葉にはならないのだが意思はある。このときの赤ちゃんの脳みそを覗いてみたい。どんな回路になっているんだろうか。言葉がないってことは、感情はインターナショナルなんだろうか? 2月16日 撮影はまたもや巻きに巻く。後でスタッフに聞いたら”最初は余裕のあるスケジュールを組んでいるので撮りが早いが、いずれこうはいかなくなりますよ”と言われる。じゃどうなるんだ? 池上彰の「そうだったのか現代史」(恥ずかしながら、この年でやっとこんなことを勉強してます)を読んだりしてから、かなり早めにCBC入り。衣装さんの用意してくれたズボンがきつい。太ったのも事実だが、事務所が渡した私のサイズがかなり古い情報だったのが最大の原因だった。 なんか”笑い”が空振りしてるような気がするのだが、撮影はどんどん進む。午後7時過ぎの新幹線で帰京。乗る前に名古屋駅構内の食堂で”イクラ鮭丼”を死ぬほど急いで食べる。味もなにも覚えていない。無駄な夕飯だった。 2月20日 夜7時過ぎに(ちょっと前にも使ったフレーズだ)、東京駅から新幹線に乗る。こんな時間に旅先へ一人で向かうのはやっぱりちょっと気が滅入る。幕の内弁当を一人寂しく食べ、融通の利かない乗務員に少し腹を立て、地下鉄を乗り継いでホテルに着いたのは10時前。 明日早いのですぐに台詞の確認。方言指導の録音テープもチェックする。栃木弁については本当に手塚さんに感謝である。昼の帯ドラマは放送日の違う回を連続して撮影するので(業界的にはこれをセット押しという。同じセットの場面を連続して撮ることです)、自分の場面だけじゃなくて、芝居の流れも確認しようと台本を読んでいたらあっという間に1時近くになった。ヤレヤレ。 今日は酒を一滴も飲まないぞと珍しく心に決めていたので、風呂に入って、午後の紅茶を飲みながら、 2月21日 ホテルで朝食。野菜中心のメニューで健康的な1日が始まる。森首相人気大下落。 今日の撮影は水沢アキさん扮するスナックのママさんの店「ニュー猫柳」の場面が中心である。特にアキさんと2人の場面が多かったが、なかなか呼吸の合ったシーンになったんじゃなかろうか。ちょっとした会話の面白さも受けてもらえるのでやり易い。スケベでお気楽なお巡りさんを気持ちよくやれた。ちょっと納得。この調子、この調子。 昼食はCBCの社食でBランチの沖縄そば&ゴーヤチャンプルを食べる。このお値段なら味も栄養バランスもボリュームも十分だと思う。 夕方撮影終了後、体脂肪を落としにスポーツセンターへ行く。35分マシンで走ったら膝が痛くなってきた。ガックシ。 ホテルの地下の和食屋さんで水沢さんとお父さん役の大林丈史さんとで会食(森首相とは違ってCBCの食券だが)。酒も飲んで盛り上がるうちにハリウッド映画の話になり、続いて英会話の話へと続いた。この辺で英語が得意のアキさんのワンマンショーになりかけたが、大林さんも若い頃アメリカに俳優修行に出ていたことも判り2人は盛り上がる。イギリス演劇留学を密かに夢見る私はちょっと圧倒される。 飲み足りなかった私は近所の”くらや”に寄る。ここで去年の「淋しい都に雪が降る」を見たという2人組の女性に会う。彼女たちは青山円形劇場のホール嬢だった。なんで名古屋にいるかと聞けば宝塚の追っかけだという。1週間近く名古屋に泊まって、もう5回以上は見たらしい。感心しているうちに小1時間は経ったので就寝。 2月22日 朝7時起床。眠い。無理やり体を起こしてスタジオへ。 今日も午前中はスナック「ニュー猫柳」。好調持続。思いつきのアドリブも採用された。収録時間に開きができたのと今日は天気も良いのでCBCの裏辺りをブラブラ散歩。東新町でおかしな看板を発見。 この辺りは風俗店が多いのだがこの「宇多田ヌケル」と「ヌクドナルド」というのは笑えた。昼間っから店の子らしい女の子達が数人店内に消えていく。へエーと思いながら看板写真だけバシャバシャ撮る。 CBC裏の炭焼き肉料理店”松坂”のランチを食べる。シンプルだがリーズナブル。肉の表面にいかにも網焼きと言わんばかりの焦げ目模様がついていた。コールスロー風サラダもいける。 午後はコンビニ店内のスタジオ撮影。店の名前はチェーン店「ロージー」。シンボルマークもサークルKの真似をしてきちんと作ってあるし、店内も本格的に陳列されている。ジュース類は中身を抜いてあったがパン類ご飯類は本物だ。これは毎回新品の品揃えが大変だなと思っていたら、見た目が危なくなるまでそのまま使い回すらしい。さすが。 ホテルに帰ってからエレベーターで年頃の女性集団に乗り合わせる。ギッシリ詰まった宝塚軍団だった。宝塚の匂いが凄い。香水の匂いも。男は私一人なので、エレベータらしい沈黙と居場所に困った。 2月23日 撮影は午後からちょっとだけ。楽屋表に林家こぶ平の名前を発見。久しぶりに会えるかと思ったが入れ違いでダメだった。後で彼から携帯に電話が入る。 帰京後、kokami@ネットワークの「恋愛戯曲」を観る。 ついでながら翌日は野田秀樹の一人芝居と新橋演舞場の「浅草パラダイス」を観る。この日は石井やでんでんさん、村上ショージさんたちと飲む。 さらに翌日は橋爪功さんの「シラノ・ド・ベルジュラック」に圧倒され、夜は対照的なHIGHLEG JESUSの「五臓六腑にしみわたるのさ」を観て、河原雅彦くんらと飲む。自分でも飽きれるぐらいに今月は芝居を見た。13本見たんだよね、今月は。 |
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