堺正章の明治座座長公演 「仇討ちでござる」 東京では初めての商業演劇でした。もちろん明治座も初めて。 それに子供の頃から「時間ですよ」や「新春かくし芸大会」を見て憧れていた堺正章さんの座長公演。一応堺さんのプロダクションからの要望で出演することにはなったのですが、石井からは「堺さんは気難しいらしいよ」と意地悪なプレッシャーをかけられてたし、稽古の始めは少なからず緊張しました。 でも「名古屋嫁入り物語」なんかの経験上、こういう時こそ最初から心構えを持って、なおかつ柔軟に飛ばしていかなきゃならないことを知っていましたので、注意を払いながら大胆にやりました。これで案外すんなりはまることが出来まして、特に堺さんとの絡みは充分に楽しませてもらいました。相手役がアドリブが返せると思えば、その人の力量に合わせてどんどん変えてきます。ドキドキしますが楽しみでもあります。 舞台上にいる私たちにしか分からない表情なんかに”これぞ喜劇人の流れだ”ってものを見つけると私なんか嬉しくてたまりませんでした。共演の麻丘めぐみさんも同様のことを言ってました。 私が鞘を投げると堺さんの刀にスッポリはまるというかくし芸大会譲りのギャグがあってこれは私も楽日まで毎日練習しました。お陰で最初こそまぐれで入ってましたが、後半戦はかなりの確立で成功しておりました。この刀はいつかまた利用させてもらうこともあるかと思って我が家の押入れにとってあります。 堺さんは小劇場系の役者さんをむしろ可愛がってくれるところもあり、私なんかは得しました。私の自論として「商業演劇は座長で決まる」というのがありましてこの時は大喜びの◎でした。この時やり易かったことの一因には、星屑の会を見続けてくれている麻丘めぐみさんが私の姉御役だったということもありますね。 私と同じ小田原の出身で、同様に「小田原城下町大使(他には柳沢真吾くんや作家の山田太一さんや夢枕獏さんなんかもいます)」もやっている阿藤海さんの熱演も心に残った公演でした。 ↑ 私は旅のこそ泥”ゴマの灰”の役。麻丘さんは私の姉御。堺さんは気まぐれなお殿様のわがままで無理やり仇討ちさせられる元植木屋。ちょっと三角関係だったりして。その辺を隠そうとするのが弟分の私の見せ場でしたね | >
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