2009年12月。TV朝日の新刑事ドラマ
「853」〜刑事加茂伸之介〜の撮影日記




さーて、今回の主なロケ場所は京都太秦東映撮影所。



季節は寒風吹きすさぶ師走の中頃から、クリスマスのちょっと前まで。
出演者はほとんど皆が、今売れ行き絶好調のユニクロ“ヒートテク”を身に付けていました。主演の寺脇康文さんは、タイツやシャツの2枚重ねで臨んでおりました。

このドラマは新年から始まる、寺脇さん初主演の新型刑事ドラマ「853」〜刑事・加茂伸之介〜です。
共演は冨田靖子さん、田辺誠一さん、金田明夫さん、そして我が星屑の会から菅原大吉くん、有薗芳記くん等々です。
私は第4話のゲストです。それでは日記の始まり始まり!



2009年12月12日(土)明日早朝のロケのために京都に宿泊。
24年ぶりに京都太秦のビジネスホテル「太陽」に泊まる。
笑っちゃうくらい、ひなびたホテルだ。風呂のお湯が出てくるのを待って風邪を引きそうになった。壁が薄くて隣の人の声や物音が聞こえてしまうからか、客が泊っているのは一部屋置きのようだ。もちろんインターネットは使えない。
でも受け付けのおばさんの愛想は良い。

13日(日)太秦撮影所近くのアパートで撮影開始。
朝一番、“アパートの階段から降りる”の1カットで撮影は終了。
右京区西院のシティホテルに移動。西院の街を探訪すること数時間。夕闇が迫る頃に、地元有名企業の街路樹イルミネーションが点く瞬間を目撃。電源で“ポンッ”と音がした

14日(月)太秦撮影所内、本館2階にて撮影。
主役の寺脇康文さん演じる“加茂刑事”らの取り調べ室。
私は重要な容疑者、一応はゲスト主役の立場である。いきなり重要な場面から始まって戸惑う。“やさぐれた感じが出ていましたよ”とプロデューサーからは言われた。
夜は星屑の会の仲間の菅原大吉くんと、井筒和幸監督作品常連の木下ほうかくんと痛飲。
今、漢字変換で“通院”となった。確かに“痛飲”が過ぎると“通院”である。パソコンの漢字変換もシャレが利いている。

15日(火)京都市内各所でロケ。
今日は短いイメージカットのアドリブ芝居が多い。高級レストランで、ワインをがぶ飲みする芝居を思いつき、チーズをパクつく。監督とタイムキーパーのおばさんが笑った。
ロケ場所を居酒屋に移して、夫婦役の山下容莉枝さんと初対面、ここもアドリブ。山下さんは私よりも活き活きアドリブっていた。

Yorie
いつでも笑顔を絶やさない山下さんと2ショット。しかし、この夫婦にも怖い未来が…


16日(水)撮休。
洗濯と映画鑑賞で、ほぼ時間を費やす。
「イングロリアス・バスターズ」を二条で観た。スリリングな展開で、やはりやたらと人が死ぬ。ナチの親衛隊のユダヤ人ハンター役のドイツ人俳優(寺島進&ティム・ロス似)が抜群に上手い。音楽の使い方が、意表を突いていて良い。特に「キャット・ピープル」のBGMの入りが良い。

17日(木)撮休。
観光日。金ピカの金閣寺と、工事中で寂びを感じない龍安寺を見る。龍安寺の廊下がキュッキュッと鴬張りのように鳴るので、売店の人に「そういう設計ですか?」と聞いたら、「単なる偶然です」と言われた。
金閣寺から龍安寺を散策中に、立命館大学を発見。我々の時代の学食とは比べ物にはならないほど立派な“レストラン”で軽食の「カレー」を注文したら、軽食とは呼べないほどの特盛りだったので、オジサンは食べ残してしまった。やはりそこは学食的だったか。


この画像で見ても金ピカの金閣寺。30数年前に見た、鈍い色の金閣寺の方が本物らしい気もする


18日(金)夕方から木屋町ロケ。
酔っぱらった私を、寺脇さんと菅原くんが抱きかかえて祇園辺りに去る場面。もちろん、ほとんどアドリブ。2カットを3分くらいで撮る。この監督早過ぎじゃない。現場にいたのは5分くらいで本日は終了。
ちなみに昨晩ホテルのフィットネスクラブで、入念な運動と水泳・ジャグジー風呂を楽しんだら、今日になって軽い筋肉痛と腰痛が出た。オジサンは困る。

Kamo3
ベロベロの私は、写真までぶれてしまった。放送では、どんな感じだろう?


19日(土)
朝から、最終章で私が落涙してしまう場面を撮る。順撮りではないので、気持の作り方が難しい。山下さんが、私を笑わせようとするので、なお難しかった。
夜のマンション撮影を終えて、今回初めてスタッフと飲みに行った。

20日(日)京都駅伝の当日。
太秦撮影所の食堂内で1シーンだけ撮影。ホテルに帰って、年賀状をたんまり書く。
そして今日はいよいよ「M1−グランプリ」だ。毎年ガチンコ勝負が楽しみだ。今年は、リーダー渡辺正行だけが審査員だった。東国原知事審査員があまりに緊張していた。1本目の「笑い飯」で大笑いし、決勝の「パンクブーブー」に圧倒された。
興奮を入浴で冷まして、古典落語「抜け雀」の、出身地小田原パワーアップ版の台本作成に深夜まで没頭。集中して一気に書き上げた。私の思うところの「抜け雀」の弱点を克服し、小田原色を特盛り・汁だくにした噺が書けたと思う。ネタおろしは、来年1月16日、桂九雀さんの独演会のゲストにて。

桂九雀さんのHPはここをクリック

私の最近の落語歴は、ここをクリック

21日(月)
留置場の鉄格子と網の中で、心情吐露する場面。こんな場面は初めてだ。丁寧にやったはずだが、ほとんど金網越しで顔が分らなかったかもしれない。
午後は居酒屋で乱闘場面。エキストラの人が、テンションが高くて余計なアドリブを言うので、主役の寺脇さんが困惑していた。当然その人は、監督に注意されていたけど。
年賀状の第1陣をポストに投入。

Jail09
ちょっと画像を大きくしてみましたが、やっぱり顔は分んないんですよね。
でも、こんな時の芝居の方が良かったりするんですよ。「たそがれ清兵衛」の、田中aみたいだといいなあ。言い過ぎか?


22日(火)今日でロケ終了。
今日の撮影は小宮デー、ほとんど私が絡んでいる。まずは山下容莉枝さんとの夫婦の回想場面から。まだ仲の良い時から、決裂るするまで。
築年数の古い、狭いマンション内の設定なので、カメラ・照明を含めてセッティングに時間がかかる。おまけに現場のマンションは外の方が暖かいくらいで、底冷えがした。ちょっと大変。
午後は殺害事件の顛末。私以外のキャストは、撮影を終えてどんどん帰っていく。そして夕闇が迫るのを待って、私がマンションに侵入する場面。体の硬いオジサンは、若いスタッフがひょいひょい越えていくベランダの塀を乗り越えるのに必死だった。午後7時、撮影終了。スタッフ皆さんの温かい拍手と共に、私の全出演場面を撮り終える。お疲れ様でした。
ちなみにこの日は、溜まった疲労と前夜の酒と食事のために、食当たりがひどかった。撮影中も、ほぼ1時間おきには、トイレに駆け込んでいた。


やっと日記が終わりました。
まだまだ安心しないで。ここから芝居の宣伝です。

私は2010年6月に念願の芝居に取り組みます。
それは、イギリス演劇の名作「ドレッサー」であります。

小宮孝泰・渡辺哲プロデュース「ドレッサー」
”シェイクスピア劇団に起きる、滑稽で愛おしい悲劇”



Dress09
元シェイクスピアシアターの渡辺哲、芝居にとり憑かれた小宮孝泰、2人の強力タッグ

「リア王」を演じようとする哲・座長に、王冠を乗せようとする小宮・付き人ノーマンのイメージ画像


脚本:ロナルド・ハーウッド/翻訳:松岡和子/演出:大谷亮介
出演:渡辺哲/小宮孝泰
大西多摩恵/勝 矢/山本育子/大谷亮介ほか
久世星佳

星屑の会の盟友・渡辺哲さんが座長を、私はその付き人を演じます。
そして、元宝塚のトップスター、久世星佳さんが座長夫人を!
演出の壱組印の大谷さんは、道化の役で出演も兼ねます。



これまでにも、三国連太郎さん、平幹二郎さん、柄本明さん他の名優が演じてきた芝居です。本国イギリスでは、映画にもなって大ヒットしました。
その名作を、新しい視点で描く、今までに見たことのない「ドレッサー」になるはずです。
傲慢に言わせてもらえれば”これを最後の「ドレッサー」と呼んでもらいます!”
これは見逃せませんねえ!

2010年6月4日(金)〜13日(日)東京の 吉祥寺シアター 
地方公演は
2010年6月20日(日)14時。小田原市生涯学習センターけやき
2010年6月25日(金)〜27日(日) 能登演劇堂(3ステージ)

お問合せ オフィス・REN/tel 03-5829-8031(平日12〜18時)









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