2006年大阪新歌舞伎座&名古屋御園座公演
原作・脚本:マキノノゾミ/脚本:鈴木哲也
演出:宮田慶子
与謝野晶子と鉄幹を巡る、明治の文学者を中心にした群像劇

与謝野晶子:藤山直美/与謝野鉄幹:香川照之
石川啄木:岡本健一/北原白秋:太川陽介
平野萬里:山田純大/佐藤春夫:木下政治
平塚雷鳥:田中美里/菅野須賀子:匠ひびき
蕪木刑事:横堀悦夫/そして特高警察の安土兵助は小宮孝泰です
ほか子役も含めて総勢50余名の大所帯の座組み

新歌舞伎座の公式HPにも、公の稽古場日記もあります


「妻をめとらば」大阪新歌舞伎座日記日記


※ ※ ※ ※ ※
いよいよ大阪日記を書き出します。今回からは下から読んでください。ブログではそれが普通ですね
※ ※ ※ ※ ※


































6月26日(月)いよいよ大阪千秋楽

今日はスタッフ紹介から

IwamotoI
こちらは私の衣装担当の岩元さん。道のりには階段が多いのに、私の出番に合わせて都合7回も衣裳部屋と私の楽屋を行ったり来たりしてくれている。着替えの最中に私がトイレに行きたいとワガママを言っても、何も言わずにきちんと待ってくれています
聞けば田中美里さんの衣装も担当とか

ご苦労様です!そして1ヶ月ありがとうございました
来月もよろしく!


今日のお客様は最初から大乗だった
メインキャストが登場すると、拍手や歓声で場内が賑やかになる。おそらくリピーターのファンも多いのだろう。反応の雰囲気で察せられる
出演者も直美さんを筆頭に幾分ハイである

子役も大はしゃぎだ。特に一番小さな弟役の悠太くんは、私の帯は引っ張る、奇声を上げる、返事はしないと自由自在だった

今日だけのアドリブも多い。3幕の幕切れ前、晶子と鉄幹が息子オーギュストの名前で揉める辺りから直美さんがラストスパートをかける。自分たち夫婦の名前を変えようと言い出してからは良太郎、寛美、猿之助と次々と繰り出す。大阪のゴールが間近なんだと感じたなあ

出番の空き時間には、楽屋の後片付け。舞台のセットも、上演が済んだ順に解体されていく。本番中にも裏方さんはセットの名古屋移動の準備を進めているのだ
芝居はこうして眼の前から段々と姿を消し、皆さんの心の中の風景として残っていくのである。そんなはかなさこそが舞台の魅力だろうか

緞帳が下りて、三本締めで手打ち
まだまだこれから名古屋がある。皆さん明るい笑顔で暫しのお別れ

終演後の楽屋口には、出待ちのファンの方が大勢いて”お疲れさま”と私も声をかけられた。本当に連日満員御礼ありがとうございました

ところで
楽屋口の隣のお惣菜屋さんも今日は特別におまけしてくれた
どうもありがとう
お気に入りの”ころころポテトサラダ”をつまみに、帰路の新幹線で乾杯!

追伸
名古屋の御園座日記では、出演者インタビューなどを含めて更に芝居の内側へ、そして私らしく楽しい逸話をお届けしたいと思います
大阪の方も、新規の名古屋のファンの方も覗いてみてください
ちなみに私のHPの別のコーナーもよろしかったら覗いてみてください

さらに追伸
直美さんが純大さんに言う「すきま風」は、もちろん純大さんのお父さんの杉良太郎さんのヒット曲「すきま風」にひっかけてのアドリブです











6月25日(日)午後から雨
大阪千秋楽に向けて直美さんのアドリブが連発している
いちいち説明できないのが残念だが、”かぶれクイズ”は形を微妙に変えて続いているし、”蝉の死骸を持って鉄幹が部屋に閉じこもっている”なんていう想像力をかき立てられる描写の創造力もすごい
受ける共演者の白秋、啄木さんらも舞台で吹いていることが多い。啄木の妻の節子も晶子の体当たりには、さすがに笑いがこらえられないようだ


zachoS
新歌舞伎座下手舞台袖の壁に貼ってある歴代の座長さんたちの千社札やシール。氷川きよしさんや天童よしみさんら歌手の方が多い



Sshisha
これは与謝野鉄幹が起こした「新詩社」の看板。書籍やら巻物やら小道具も色々集められている

ちなみに自民党の与謝野馨議員は鉄幹・晶子の血筋である。実は私はこの芝居で勉強するまで知りませんでした


夜の部終演直後、まだ緞帳が閉まったばかりの舞台上で直美さんが
「みなさん、今夜が大阪ラストナイトですよ」
なんか、ぐっときそうな感じで出演者に声をかけた
続けて
「ちゃんと荷造りしてくださいね」
少し、こけそうになった





6月24日(土)
天気予報がはずれて晴れ
そろそろ大阪公演も終わりに近い
楽屋廊下の掲示板に張り出される連絡情報も、それを物語り始めた

さて直美さんの”どのかぶれが一番辛いでしょう”クイズは舞台でまだ続いている。そして、ついに今日の夜の部で純大さんが切り返した。”かぶれてる場合じゃないでしょう”と意を決したように言った。楽屋のTVモニターを見ながら、私が一人で笑っていたら、隣の楽屋の太川さんが”とうとう切り返しましたね”と声をかけてきた。
チェックしていたのは私だけではなかったのか(^0^)

私が晶子の本を乱雑に扱い、香川さんがそれを奪い返そうとする場面で本が1ページ破けて落ちてしまった。咄嗟に私が拾い上げくちゃくちゃにした。その方が役に合っていると思ったからである
場面が終わって、私を見つけた香川さんに”さっきはどうもありがとうございます”とお礼を言われた。やっぱり細かく気をつけてるんだなあと改めて思わされた


hanaMS
これは新歌舞伎座の花道の揚幕といいます。この向こうに役者がスタンバイしていて、係りの人が開けてくれるのと同時に颯爽と登場するわけです。
舞台稽古の時に香川さんがじっとこの場所に立っていたそうです。歌舞伎ではなく現代劇の俳優としてここから登場する自分の姿に様々な思いを馳せていたのでしょうか?
役者と客席の関係を特殊なものにする、この舞台機構も日本独特のものでしょう


tomaruF
落語家の桂都丸さんから頂いた楽屋花。殺風景な私の楽屋に、それこそ1ヶ月きれいに花を添えてくれていました
他にもコメディbPの前田五郎さんからは蓬莱の豚マンを50箱も頂きました。関西の芸人さんは義理堅い。

みなさまありがとうございました





6月23日(金)
朝5時半、ふと目覚めたのでTVをつけてみる。すでに日本がブラジルに3対1で負けていた。チャンネルを変えると星屑の会の仲間の太平サブローくんが早朝報道番組のメインキャスターで出演していた。
みんな頑張れ!
朝9時のニュースでジーコジャパンの敗退を知る。日本のW杯が終わった

本日も岡本健一さんにインタビュー
小宮「今朝は生で観戦してたんですか?」
岡本「はい」
小宮「どうでした?」
岡本「せっかくシュートを決めても、喜びが足りない!1点にかける気持ちが足りない!技術で劣っていたら気持ちで勝たなくては。そのまま案の定負けてしまいましたよね」
小宮「試合後の玉田のインタビュー”1点ゴールしたら、相手を本気にさせちゃいましたね”というのは私も理解しかねます」
岡本「中田はピッチで暫く倒れたままだったけど、他の選手もみんなあのくらいの気持ちでいて欲しかったなあ」
小宮「4年前ドイツのカーンがゴールポストにもたれて呆然としていた姿は私でも覚えてますからね」
岡本「その前のイタリアとチェコの試合が良かっただけに・・・」

話題を変えて
小宮「日本の次期監督は誰がいいと思います?」
岡本「うーん、初心に帰って日本人監督で出直して、改めてサムライ魂を見せて欲しいなあ」
小宮「この後のW杯で注目しているのは?」
岡本「ポルトガル・スペイン・イタリア。みんな良いゲームをするよね」
小宮「ということはW杯は観戦するわけですね」
岡本「僕は素晴らしい芸術的な試合を見たいんですよ」
岡本さんの2006年サッカーワールドカップはまだまだ続くのです

岡本「だってこの後4年間見られないんだよ」


今日も新聞を見てギョッとした。奈良の事件である
反対に秋田や平塚では子供が事件の犠牲になる
今回の「妻をめとらば」の中では、与謝野晶子が長男の光を外にお手伝いに行かせる場面がある
「光はもうお兄ちゃんだから一人で市電も乗れるでしょ」と出版社に原稿を届けさせる。安心や信頼や責任や町の人との相互理解、つまり普通の平和があればこその世界である。こんな台詞はこれから書けなくなるんじゃないかと不安になってしまう

終演後楽屋口に演出の宮田慶子さんが立っていた。今日観に来ていたらしい。周りには香川さんやら岡本さんが集まり、皆さん細かいチェックを仰いでいるようだった
思わず私は昨日の純大さんの”あんた事件”を報告すると、他の方も一気にその話題に集中した
それにしても今日のその場面では、純大さんは本当に丁寧にそっと台詞を言っているのがまた可笑しかった






6月22日(木)久しぶりに雨の大阪
朝は開演前の舞台上でストレッチをするところから私の一日が始まる。今までは他に若い出演者のA君やK君たちだけだったが、この頃参加者が増えてきた。前述の野々村さんや、最近は香川照之さんも皆とストレッチをしながら談笑している
喉の調子が少し心配だった香川さんも、すっかり回復し元気に一日をスタートしています

と良いところばかりで書き始めようと思ったら、今日の夜の部は皆さん台詞噛み噛み合戦だった
1幕3場で純大さんが私を指して「あんた、あの時の刑事だな」と言うべきところを「あんた、あんとき、あんた、あんたあんたあんた」と”あんた”を7回くらい繰り返した。思わず”何を言ってるんだ”と言い返したが、真面目な場面なので笑いにもならずに芝居は進んだ
2幕では田中美里さんが直美さんに食って掛かる場面で言い間違えて一瞬絶句し、異様な金切り声を上げて再開していた
あと私の気づかないところでも何度かあったらしい。直美さんも北原白秋と石川啄木を間違えたらしい

今日の直美さんのアドリブも一つ
”あの人(鉄幹)がフランスかぶれで、この子がおむつかぶれ、私が化粧品かぶれ”の後に”さて、どれが一番辛いでしょう?”とクイズ形式で純大さんに聞いた。真面目な純大さんは返答に困って”どれでしょう”と普通に答えていた(^0^)

今日私のお客様から質問があった
”3幕終わりで、直美さんが純大さんに「気をつけてね、すきま風」と言っただけで、どうしてお客さんがあんなに笑うんですか?”と
このお客さんは勿論20代の若い人である。このネタ元を知らないわけである
この日記を読んでいる方はほとんど知っていると思うが、答えは数日後に明かします






6月21日(水)今日は夏至?
本日の観客の年齢層は高かった。正直言って、反応も少々弱かったようだ。男性客の比率も多かったからかも。昼の部で終演

狂言の稽古に向かう。DVDを見ながらの自主練よりも、先生の前で緊張しながら稽古する方がやはり身に付く。難しさは変わらないが…
ところで大阪は東京に比べて日が長い。今が一番日が長い時期だとはいえ、7時過ぎでも空が明るいとは思わなかった。ちょっとロンドンの夏時間を思わせる

友人の前田写楽くんの芝居「ええお湯だっせ」をワッハホールで観劇。かなり大阪的なベタな喜劇の世界。大阪は明喩的で、東京は隠喩的な文化なのかなと思いながら観ていた。紗幕を使ったシルエットの世界が印象的で、特に大勢の芸人たちが裸で風呂で戯れている絵柄が私は好きだった







6月20日(火)夏日が続く
昼の部は貸し切り。今日のお客様は「直美の会」の皆様。その名の通り藤山直美さんの後援会の皆様だ。座長への反応は当然いつもとはちょっと違う。私には直美さんが微妙に女っぽい感じがした回だった

昨日、青年座創設者の森塚敏さんが亡くなったことを新聞記事で知る
この芝居には演出の宮田慶子さんを始め、出演者にも青年座の役者さんが多い

Nnomura
写真は与謝野家のお手伝い千代役の野々村のんさん。彼女も青年座の座員だ。”今日は貸し切り公演だけど、きっと座長(森塚さん)は客席のどこかで観てくれてると思います。7月の劇団葬には何とか駆けつけたいです”と舞台袖で語ってくれた

そういえば昼の部の開演直後、田中美里さんが”平塚明子(はるこ)と申します”と言うべきところを”平塚明子でござ…もわもわします”と言った。どうも私の耳には台詞の言い間違いがすぐに飛び込んでくるようである(^0^)

本日の夜はお好み焼きを食べました。千日前の「おかる」は店内がレトロで味は素朴で気に入った




6月19日(月)真夏日のような暑さ
岡本健一さんのW杯インタビュー第2弾です!

開演前の楽屋で待ち受けていたように一言
岡本「フォワードがねえ・・・」と低く吐き出すように始まった

岡本「”ここでシュートだ”と思う時にパスしたりドリブルだったり、後半で三都主が左サイドからセンターに上げても誰もいなかったり、ちぐはぐだよね」
小宮「前半の宮本のファールでPKはドキドキしましたか?」
岡本「あれを止めた川口は立派だけど、試合運がないんだよね。前回のW杯で活躍した楢崎を使ってもいいんじゃないかな」
小宮「宮本がイエローカード2枚で次の試合は出られないですね」
岡本「もう交代させましょ。坪井もいるし、サプライズで選んだ巻もいる。大黒なんかは最初から使って欲しいな。高校を卒業したばかりの190センチの平山とかも、次には代表に選ばれて欲しいな」
やはり控えの選手や次世代に期待しているようだ

小宮「スルナに何であんなに好きなようにさせちゃうんでしょ?」
岡本「あの選手は位置取りが上手いんだよね。DFとMFの間の絶妙な位置にいるから、日本の守りも中途半端になる
それと試合中のCMに出てる選手が格好悪いよね。格好良く見せるべきはピッチの上であって、他の場面じゃない」
ここは硬派な意見である

小宮「ブラジル戦は崖っぷちですね」
岡本「いや最初から崖っぷちですよ。その気迫が足りない。やっぱり熱い魂が見たいよね」
小宮「どう戦ったらいいでしょう?」
岡本「向こうは予選突破が決まって、もう勝つ必要ないわけだから格落ちの選手で戦ってくれないかな」
意外に軟弱なことも言う。やっぱり勝って欲しいんだな
でもさすがに2戦落としたので楽屋の表情は曇りがちだったが、舞台の上ではいつもの必死の啄木がそこにいたので安心だった。いや寧ろ特高の私を睨みつける眼はいつもより鋭かったかもしれない


一番前の席の、本当に一番前の席のお客様で、オペラグラスを覗きながら芝居を観ている人がいた。こういうお客様は時々いるのだが、いつも”どこを見ているんだろうなあ”と思う。そんなに顔のアップが見たいのだろうか?どう見ようと個人の自由なので構わないが、芝居全体を見た方が豊かな気持ちになれると思うのだが・・・


今日は昼1回公演なので、狂言の稽古に向かう。野村萬先生のお弟子さんが大阪で教室を持っているのだ(ちなみに私は万蔵先生に教わっています)
5時過ぎでも夕方とは思えない夏のような日差しを浴びながら、てくてくと谷町4丁目の稽古場へ。10月に私は「樋の酒」という演目を発表することになっている。台詞や動きだけでも難しいのに、小舞や小謡いもある。先生から細かく動作をチェックされる。”型が駄目””動きが早過ぎる””気持ちが足りない””想像力を使って”と言葉は優しいが厳しい指導。心の中で”もっと簡単な演目にすればよかった”という気持ちがよぎるが、負けてられない

なんばに戻って、新歌舞伎座の方に教わったミニかっぽうのお店「ごんべ」で食事。お造りも、鱧鍋も、山椒じゃこご飯も美味しかった。私は海老の頭焼きが気に入った。ボディビルで鍛えたご主人自慢の”塩”も美味しいんだな
カウンターの並びにチャーリー浜さんが座ったのでビックリ!常連さんらしい







6月18日(日)
昼の部に作家の高平哲郎さんが観に来て”とても面白かったよ”と笑顔で去っていった。「プロデューサーズ」に続くメル・ブルックスのリバイバルミュージカルが「ヤングフランケンシュタイン」らしいとの情報も教えてくれた。学生時代に私が大好きだった怪奇コメディである。楽しみだ

夜の部は貸し切り興行
こういう場合の直美さんは、やはり団体さん用の固有名詞ネタも絡めて笑いを増幅させる。カーテンコールでは満員のお客様を代表しての花束贈呈もあった


そしてW杯。今日はクロアチア戦。もう絶対に負けられない
で、確かに負けなかったがやはり決定力に欠けた
結果はドロー
でも意外に、今日の試合の方がハラハラドキドキした。ドキドキの最大原因の川口のPK阻止は確かに見事だったと思うが
ただ素人考えで言えば、私の眼には日本もクロアチアもミスがあったりして、どっちもどっちに見えた
えー言い過ぎでしょうか?!






6月17日(日)
毎日ホテルの部屋に聞こえてくる曲がある。ドボルザークの「新世界」みたいなメロディだ。階下の街から毎朝、毎晩聞こえてくるので、どうしても耳に残る。部屋にいると耳鳴りのように響いているので、本当に聞こえているのかどうかも疑わしい気がしてきた

今日の舞台の最中に、直美さんがこぼれたお茶を拭いていた。といっても実は芝居中では茶碗の中には液体は入っていない。本当にこぼれると大変だからである。つまり他の共演者がアクシデントで倒してしまった湯飲み茶碗の架空のお茶を一所懸命に拭いているのである。単なるフォローにしては念が入っていたので0.5秒くらい舞台上で見入ってしまった。直美さんなりのリアリティの追求もさることながら、そういうアクシデントが大好きなのだろうと察せられた
そういえば一昨年三宅裕司さんと舞台でご一緒したときにも、三宅さんはハプニングが大好きで、むしろ誰か間違いをしでかさないかと待ち望んでいる節があった。喜劇人とはかくありきか?

匠さん”そんな男に惚れた女の身にもなって”と言うべきところを、”そんな女に惚れた・・・女の身にもなって”と間違える。またご飯を食べ過ぎたのだろうか(^0^)







6月16日(金)雨上がる
今日は昼の部1回公演。今日だけ不規則な上演なので、本当に12時開演かどうかチラシで何度も確認した。間違っていたら恐ろしい

大阪公演は中日を過ぎた。普通の商業演劇に比べて実験的というのか、骨組みのしっかりした脚本だからと言うべきなのか、見ていても自分で舞台に立っていても、皆さん新鮮味を失っていない。むしろ登場人物それぞれに新たな発見があるようだ

seitouA
これは舞台地下の奈落で控える婦人解放運動の青鞜のメンバーの女史たち。こうやって一列に並んで座っていると力強い。左の端に平塚雷鳥役の田中美里さん。暗くて見え難いけど悪しからず


夜はブロードキャストショーという吉本系の劇団の稽古場で、私の一人芝居「接見」を上演した。会場には養成所の生徒やら劇団員やら60人程のお客さん。続いて演技のワークショップも開催。これはベラレーヌシステムというフランスの往年の女優兼演出家の方が体系づけた演技メソッド。断続的ではあるが、私はテアトルエコーの養成所の頃から岡田正子さんという先生に教わっている。それを時々地方の劇団で指導したりしている次第である
受講生からは真剣で鋭い質問や意見も飛ぶ。少々鈍感になっていた感覚が刺激される




6月15日(木)久しぶりに雨。本気の雨
今日は街を見て思ったことから
ご存知のように駐車違反の見張り点検が今月から民間に委託された。新歌舞伎座の前でもエメラルドグリーンを基調にした制服の初老の係員の人が目立つ。お陰で御堂筋の違法駐車は激減したようであるが、本当に解決になっているのだろうか?そもそもショッピングゾーンに駐車スペースが少ないのが問題では?宅配業者のような駐車を余儀なくされる職種はどうするのか?市民のマナーも肝心だが、行政の一方的な方針施行にも一考の余地ありだと思う

さて舞台裏話を一つ
今回の芝居にはカーテンコールがある。だから最後の晶子と鉄幹の寝室の場面から一気に花見の場面に変わらなければならない。そこで直美さんや香川さんは舞台裏へ一目散に着替えに駆け込むが、舞台上では布団を片付ける裏方の方が必死である。布団を抱えて狭い舞台廊下を走る。ちょっとした障害物競走である。時には廊下で音を立てて転んでしまったりする。”大変だなあ”とは思うが、どうも手助けできない。笑いながら見守るしかない出演者が舞台袖に何人もいる

norenG
これは私の楽屋のれん。おそらく日本だけの風習だと思う。楽屋のプライバシーを守るのと、反対に気楽に遊びに来て欲しいという両方の思いからできた慣習ではなかろうか?私ののれんは事務所の社長の石井光三氏からいただいた。各自ご贔屓筋や先輩の役者さんからプレゼントしてもらったりする
ちなみによその楽屋へ訪問する時には”トントン”と口でノックの音をさせてから、失礼のないように入ったりする



6月14日(水)今日は快晴
サッカー敗戦から2晩経つと冷ややかな記事も見られる
日本の1点目は誤審ではないかという判断である
細かいルールに詳しくない私は何とも言えないが、確かに再現ビデオのスローなどを見ると、日本選手が相手キーパーの邪魔をしているようにも見えた。であれば、ますます完敗
本当かどうか、吉本のオーストラリア出身の漫才師が困ったらしいし、本日NOVAでレッスンを受けたオーストラリアの先生もすまなそうにしていた。どちらにしても今年は日豪友好年である。仲良くいきましょう(^0^)

さて本日の舞台のお話。2幕石川啄木家の場面。松金よねこさんが抱えた箒がはずんで、よねこさんの頭に箱が落下した。思わぬハプニングに、よねこさん本人も客席も失笑した。さすがなのはこの後である。いつもなら少し時間を置いてから直美さんは体を張ったギャグをぶちかますのだが、同様のネタがかぶると判断したのであろう。何もせずに、すんなり芝居を運んだ。中々本番中に、できる判断ではない

今日はその直美さんに”あ、ロンパールームのおじさんだ”と呼ばれる。”子供相手は大変やもんねえ”とご自分の実感も込めて挨拶された
確かにますます子役は自由である。今日は一番下の男の子が、舞台セットの書き割りの幕に描かれた木に触ってしまったから、空も含めて背景がみんな揺れていた(^0^)






6月13日(火)
闘い済んで夜が明けて
開演前、ずっと前から昨日のオーストラリア戦を楽しみにしていたという岡本健一さんに楽屋でインタビュー
小宮「昨日の試合の感想と敗因を?」
岡本「基本的にレベルは向こうの方が上。それでも日本は頑張っていたが、坪井の故障辺りから狂ってきたのでしょう。日本も早く選手交代などの手を打つべきだったのでは?」
小宮「例えば誰を?」
岡本「個人的には高原、柳沢のツートップの交代があったらと…」
小宮「後の試合には、どう期待しますか?」
岡本「昨日出ていなかった選手に、もっと活躍して欲しい。ジーコ監督も個人的な信頼を重視するのではなく、選手それぞれのバイオリズムなどに即応して欲しい」
小宮「日本人選手の敗戦後のインタビューは冷静でしたね?」
岡本「僕はもっと口惜しさを前面に出して欲しい。他の国では選手もサポーターも、もっと感情を表します。”魂”を見たかったな。でないと”サムライブルー”の意味に恥じると思う」

朝から言葉は静かでも熱く語る岡本さんに、今回の石川啄木の熱情に通じるものを感じた。病弱なイメージの強い啄木であるが、今回の芝居の1幕の幕切れでは無政府主義者たちを弾圧する官憲に激情を持って立ち向かっていく。案外岡本さんは侍魂の持ち主なのだろう
そう言えば一言
”静かに間合いを計って、相手を切る。試合も戦場です。そんな感覚が本当のがサムライブルーなのでは”と

ちなみに日本の敗戦の後に夜中にアメリカ対チェコの試合を観戦。、的確で芸術のようなサッカーを見て口直しをしたらしい。どんなものでも、すっきりした影響を受けて自分の仕事に繋げたいのだそうだ。なるほどサッカーにも仕事にも一家言をお持ちのようである


morihana
これは岡本さん宛てに森光子さんから届いた楽屋花。楽屋は、部屋の灯りも少しダウンさせて静かに落ち着いたムード。そんな岡本さんがボソッと何気ないアドリブを言ったり、2幕の花道退場場面では客席にマダムキラー的なサービスを振りまいて笑いを誘ったりする。このギャップが面白いんだなあ





6月12日(月)
私の上司蕪木刑事役の横堀さんが、1幕で私を紹介するときに”ぶか(部下)”と言うべきところを”ぼか”と言う。まあ”ばか”と言われずによかったです(^0^)
いつもきちんと台詞を言う人だけに本人も焦っていましたね


chakutoB
ここで閑話休題。これは楽屋口にある着到板というもの。出演者が朝に楽屋入りしたとき、それぞれ自分の名前の上にご覧の海老茶色のピンのようなものを刺します。帰りにはそれを抜きます。つまり一種の合図ですね。今回は何故か私の名前が板のど真ん中に位置してます。別に偉いわけじゃありませんから(^0^)


しかし今日は何といってもワールドカップでしょう
夜の部終演後は、そそくさとホテルに引き上げTV観戦
正直に言うと私は熱心なサッカーのファンではないのですが、これは見逃せない。私のように夜のNHKに釘付けになっていた俄かファンも多かったでしょう
でもって
結果はご存知の通りです。11時くらいまではラッキーな勝ちを拾える気分だったのは私だけでないでしょう
残念ながらオーストラリアの3点シュートの後に、空しく缶チューハイをあおったのです



6月11日(日)
たっぷり寝た。
それにしても日曜の千日前アーケードの人だかりは凄い。朝から何故こんなに人がいるのだろう?ファーストフードに屯する人、開店前のパチンコ屋に並ぶ人(この界隈は特にパチンコ屋が多くて日曜日はそこらじゅうに行列ができている)、コンビニをうろうろする人、見た目は何だか分からないような人、人人人。私にはこの町が巨大な欲望の塊のようにも思える
ホテルの中が静かなだけに、街の雑踏とのギャップにたじろいでしまう


koyakuB
子役のB班。長男の光役の男の子は背は大きいが2年生。一昨日書いたように真面目なチーム。一番下の女の子は、まだ3才に満たないではないだろうか?他の子が走り出すと一人だけ遅れてしまう。その分私は芝居を少し待ったりする



6月10日(土)
舞台機構の話を一つ
この劇場には回る舞台、いわゆる盆がない
その代わりに舞台セットを乗せたままスライドできる。今回で言えば、2幕の途中で直美さんと松金さんを乗せたまま石川啄木の家が舞台下手(お客さんから見て左側)から上手へセットチェンジする
その間も芝居は続いているので、新しい場面の出演者と前場面の出演者が重なったりする。つまり芝居がトコロテンのように押し出されていくのだ
この劇場で見慣れている人には普通の光景だろうが、盆回しのセットチェンジに親しんでいる私には何だかトコロテン繋ぎがユーモラスである。

夜の部終演後に松金よねこさんのノートパソコン探しのお手伝い。私とて大したユーザーではないが、ビック・カメラに出向く
DVDを見るのに軽いパソコンが欲しいらしいが、残念ながらウィンドウズとマックの違いも知らないので色々と実物を見ながら説明する。
”後でじっくり検討してください”と各社のパンフレットなどを集めて値段もチェック。そしたら”小宮さんも研究して”と私にまでパンフを手渡されてしまった。うーん?!
東京乾電池の女優さんも見に来ていたらしいので、一緒に焼肉屋へ。本場大阪にいるのにこれが今回初めての焼肉体験だった

12時前に就寝。自分でも驚く






6月9日(金)雨上がり。各地で入梅したようだ

さて、今回の芝居の子役には2チームある。ざっと分けると明るいA班と真面目なB班。最近どちらのチームも伸び伸びしてきた。というか私に慣れて好きにやり出すようになった。今日はA班。明るいのはいいのだが、台詞も自由だ。一番下の子は普段は”おしっこ”としか言わないのだが、今日は”おしっこ洩れそう”と言葉を付け加えた。本人が考えたのか、誰かが入れ知恵したのか?
昨日はB班の長男の光くんが、きっかけ台詞を忘れた。一番しっかりしていそうだったので、少々私も戸惑った。そういえば、いつもはスキップをしながら私についてくるのに、時々何だか陰気そうに歩いてくることもある。これもスキップはやり過ぎだと誰かに注意されたのだろうか?できる限り自由にやってくれ

大阪の知人来客。若い企業(起業?!)人。この人はMCコミヤのファンである。終演後は一緒にミナミをうろうろした








6月8日(木)気温は下がるが蒸し暑さは増す

今日は画像からいきます
OHsada
これは藤山直美さんの化粧前です。ご了解を得て撮らせていただきました。世界の”王貞治”の特大ポスターを前にして、喜劇の女王は何を思っているのでしょう。楽屋の入り口にはソフトバンクの応援グッズも飾ってありますから、連日の巨人戦での勝利は嬉しかったのではないでしょうか?私も子供心に、長島さんよりホームランバッターの王さんが好きでした。それにしても特大ポスター3枚は凄い!”小宮さん、これを撮らなあかんよ”と直美さんに言われて楽屋に入ったときにはビックリしました。特設照明まで入ってます!


王監督の威光もあってか直美さんは快調。登場場面ではスキップもしてました。この場面を舞台袖で見ているのは楽しいです。首に和物のスカーフを巻いて、黒沢映画の「どん底」の山田五十鈴を思わせる格好で堂々と花道から登場。身重のお腹を少し突き出して、時には右手に持った巾着袋をくるくる振り回しながら行進してきます。まさに平成の喜劇女王ここに有りです。圧巻です!

ところで明日から入梅しそうな様子ですね。楽屋は蒸し暑くなってきました。寒がりの私も、時々クーラーのお世話になってます

終演後、NOVAの体験レッスン2回目。今日の講師は坊主頭のやけにハイで愉快なブライトン。NOVAのTVのCMの声を担当していたそうな。
今日は雇用に関する英語。少し難しい内容になると、ボキャブラリー不足と、文法を気にしてしまう癖が自分で気になる

話題の弁護士ドラマ「くず」を見る。私も弁護士の一人芝居をやっているので気になる
確かに豊川悦司は面白い。股間をいじくる弁護士など今までにいただろうか?ただ今時の1時間ドラマの容量も感じる
今日の回は、岡本麗さんの演技に泣けてしまった





6月7日(水)今日も暑い
今日気づいたのだが、芝居が10分近く短くなっている。他の役者さんたちはすでに気づきながら芝居をしていたようで、特に直美さんは”これでよし”みたいな感じであった
私見で言えば、確かに上演が始まってから時間が縮まるのは良い傾向である。それだけお互いの信頼関係とテンポが上がっているということだ

それにしても新歌舞伎座は連日満員。今日は時折り客席から舞台に声もかかっていた。私が感心するのは客席が本当に満席であることだ。東京の大劇場ではチケットは完売状態でも実際には来ないお客様がいて、1階の前の方の席がドカンと空いているなんてことがよくある。ところがここではそれがほとんどない。皆さん”買ったら観る”、”芝居を楽しみにしている”ということなのだろう。こんなことも大阪らしいのだろうか?





6月6日(火)
大阪に来て、すでに1週間以上が過ぎているのだなあ

公演は順調なのだが、毎回ちょっとしたアクシデントは起きる
今日の昼の部では、匠ひびきさんが「よろしく」と言うべきところを「よろちく」と言ったのを私は聞き逃さなかった。本人に確認したら”そうなのよ”と堂々としていた
そして北原白秋役の太川さんが殴られて吹っ飛び本棚を壊す(仕掛けがあって壊れやすくなっている)場面では、その前の場面ですでに本棚が崩壊してしまっていたので、太川さんは舞台セットの奥に立っていた本棚の残骸を無理やり引きずり倒していた。これも本人に確認したら”どうしようか迷ったよ”とこぼしていた。こういう咄嗟の場合の役者の内面心理は想像すると面白い
ちなみにこのアクシデントは夜の公演でも起きたので、太川さんはまた残骸を倒していた

tagawaY
私の楽屋前で撮らせてもらった太川さん。おしゃれな北原白秋役は爽やかなスーツが似合っている。ただしこの詩人は道ならぬ恋の放浪者でもある

本日は我が石井光三オフィスの役者仲間の鈴木省吾くんが、京都太秦の撮影現場からわざわざ観に来てくれた
早速新歌舞伎座の方に教わった串焼き屋さんに行く。店の外観は良くないのだが、拘った素材を活かした串焼きは美味であった




6月5日(月)夏らしく暑くなってきた
今日は昼のみ1回公演
開演前に池乃めだか師匠が訪ねてきてくれた。写楽くんの店でよくお会いするのだ。師匠のご要望により、直美さんの楽屋にも挨拶にお連れする。案外大阪の喜劇人同士でも、直接会うのは珍しいらしい
そしたら上演中に写楽くんも再び差し入れに来てくれる。柿の葉寿司美味し!手羽先美味し!豚マン美味し!直美さんのお母さんからの差し入れ、茶巾寿司美味し!差し入れだけで太りそうだ

終演後に楽屋を出たら”日記を楽しみに読んでますよ”と声をかけられる。嬉しさと、ちょっとプレッシャー

南河内万歳一座の「お馬鹿屋敷」を観劇
大阪城ホールの脇にある倉庫を改造した特設劇場。どちらかといえばアングラ色の強い彼らにはお似合いの劇場だ
”眠る”ことや、人間の行動の”目的地”や”今いる場所”などのメタファーを駆使した内藤くんらしい作劇術。舞台には夥しい布団が乱舞し、そこは怪しげな旅館の布団部屋にも夜行列車にも湖にもなる。なんだか「千と千尋の神隠し」や「シャイニング」みたいで面白かった。終演後は打ち上げに参加。芝居の話や釣りの話で盛り上がる
その勢いでミナミの前田写楽くんの店に寄ってしまう

syaraku06
どうも新しい相方と漫才コンビを復活させるらしい写楽くん。50歳過ぎての新人ということか。今月末には芝居もやるそうな

ちなみに南河内万歳一座と私の関係は舞台歴の「青木さんちの奥さん」を参照あれ




6月4日(日)良い天気だが、大阪の青空は突き抜けている感じがしない

日曜は例のお惣菜屋さんがお休み。仕方なく外を視察
夜の部の2幕の幕開けで花道にスタンバイしていたら、一番小さな男の子が泣き出した。この子にはオチのある台詞があるのに。心配していたら何とか舞台に出てくれた。と思ったら、花道で転んだ。でも、鼻水をすすりながら泣かずに踏ん張ってくれた。エライ!

岡本健一さんのボソッと言うアドリブが案外面白い。与謝野晶子の振袖姿を見て見え透いた嘘をつく場面も笑える。普通は”嘘をついてます”という芝居と”実は嘘でした”と白状する展開にメリハリをつけてしまうものだが、岡本さんは実にサラッとやってしまうのが逆に笑える。こういうのを舞台袖で見ていると楽しい

夜は新歌舞伎座のMさんに、松竹座の裏辺りから法善寺横町、千日前からグランド花月辺りまでを案内してもらって食道楽大阪の色んなお店を教えていただく
グランド花月の駐車場で、ぼんちの”おさむ”さんに会った。実に久しぶりだ






6月3日(土)
今日も朝からオバちゃんたちが劇場前に列を成している
11時から開演
昨日ほど客席のざわつきは少ないが、よく笑うお客さんだ
2日落ちにはならずに皆さん好演

今日は楽屋口側にある手作りお惣菜屋さんでお弁当を買う。これがなかなか美味い。昼夜の休憩時間が短い今回の公演の様な場合には、手っ取り早くて暖かくて栄養の選べるお店はありがたい。お世話になります

夜の部は4時開演。この芝居を1日で2回演じるのは、これが初めてである

昼夜の間に、前田写楽くんが蓬莱の豚マンを差し入れに楽屋を訪ねてくれる。一緒に来てくれた奥さんによれば、朝のオバちゃん行列はこの界隈の風物なのだそうである。よくTV取材もあるのだとか。そういえばカメラマンもいたような
昼は大阪の知人も観に来てくれた






6月2日。「妻をめとらば」が今日幕を開ける
初日の興奮からか、朝7時に目が覚めてしまう
朝8時の千日前アーケードを歩いてみたが、人通りが少なくガランとしている。でも、 10時になったらいつもの賑わいだ。開店前のパチンコ屋に並ぶ人、仕事に急ぐ人、朝早い飯屋に駆け込む人。この町の風景は東京にはちょっとない。

さて10時から劇場前にはお客様が大勢並んでいた。12時開演なのに

11時半に舞台に集合して、劇場側と出演者側の挨拶。直美さんも香川さんも高揚していた
12時開演
この芝居は、幕開けからのつかみが難しいようだ。いつもの大阪的な商業演劇に慣れているお客さんには、取っ付き難いようだ
私も、杉平助ゆずりの口よどみギャグは今日で止めることにした。本当に台詞をかんでいると思われてしまったようだ

さすがに直美さんは登場しただけで客を引きつける。花道からの無言の登場でも客席はざわつく
1幕は直美さん絡みの場面はやっぱり笑いを素直に誘う。まず好発進

ところで私の役は特高の安土兵助。私の師匠は杉兵助。しかも戦前からの芸名は兵助だったのだ。少なからぬ因縁を感じる。私事だが

2幕1場も、子役の女の子がちょと転んだくらいで大過なく済んだ。観に来ていたマネージーは”ドキドキしますね”と言っていたが
2時45分、予定通り終演。舞台緞帳裏で直美さんの”お疲れさま!”の声が響く。”なんや最後の方は自分でスワヒリ語喋ってるみたいやったわ”と語りながら楽屋に消えて行った

夜は演出の宮田慶子さん主催の食事会。直美さんはいなかったが、直美さんが相当緊張していたらしいという話題で盛り上がっていた
会の途中で松金さんが作家の高平哲郎さんを連れて来た。その頃には私はワインで酩酊し始めていた
その店で飲んだワインは美味しかったなあ




6月1日
夏らしい天候になってきた
初日の本番どおりに12時から舞台稽古
休憩を入れて、3時間45分の芝居。舞台進行は極めて順調。稽古終了後に客席にて長めの駄目だしがある。
私は殺陣の殴るアクションのテークバックと、子供との場面の対面位置を注意される
それでも5時過ぎには役者は解放された。早い

さて、朝からサポートに電話していたお陰というか、サーバーの方の尽力で夕方には初期化が済み、何とかメールやHPが復活する。旅先でのこういうトラブルは恐ろしい。昨夜は本当に一瞬クラクラときた

映画「明日の記憶」を観る
ホテルに帰って「妻をめとらば」の台本を読み返す。初日を前にして、時間がたっぷりあった



taremakuS
新歌舞伎座の表には現在、私の名前の入った垂れ幕も薫風に翻っております



5月31日
午後1時に2幕3場から稽古開始
今日も稽古は順調。”順調過ぎて、不安だね”と隣の楽屋の太川陽介さんが言っていた。今回は私と太川さんは、他の出演者と離れた場所に楽屋がある。
でも、ちょっとラッキーなのは我々の楽屋だけは携帯が繋がる。それにラジオも聞けるのでラジオ英会話も聴講可能である

6時過ぎに、駅前NOVAで初授業。先生は金髪アメリカ女性のJennaさん。生徒は私を入れて4人。教室が狭いのでちょっと窮屈だった。テキストの写真を見ながらの勉強。キューバの革命児”ゲバラ”の写真があったので、それを使って話したら、他の若い生徒は誰もゲバラを知らなかった。これには私が驚いた
正直なところ、東京で通っている小さな英会話教室の方がより良い環境だと思った。

なんばの自由軒のカレーを食べる。味はこんなもんかな?!それより私がコント赤信号のメンバーと20年以上も前に来たことを店の他人が覚えていたのに驚いた。今日の昼間は香川照之さんも食べに来たそうである
aaの餃子を買う

ホームページ更新ソフトを作業中に大失敗。全ファイルを一時消去してしまった。冷や汗がどっと出た
このままこの日は問題解決せず




shinkabuB
これが正面から見た新歌舞伎座のほぼ全景です。大阪なんばの駅前にあります




5月30日
午前11時半から、舞台にて神前式のお払い。今日のお払いは言葉が分かり易かった
そして楽屋作りを開始

続いて、照明合わせの場当たり稽古が始まる。役者は衣装もメイクも準備万端
1階席の後方では台詞の聞き取りにくい場所があったが、直美さんはさすがの風格。稽古場とは発声も全然違う。その聞き取り易さに恐れ入った

私の登場で、演出の宮田さんが笑った。危険人物の菅野須賀子を追っている刑事が、ひょこっと顔を出すのが採用される
2幕の幕開けの子供たちとの場面では、あまりアドリブに走らないようにチェックされた。ご指摘の通りである。役を大事にしよう

稽古は順調で早めに終わる

大阪でも英会話を続けたいので、駅前NOVAの体験レッスンのレベルチェックに行く。自宅で駅前留学よろしく、TV電話(かな?)でアメリカ人の女性と話す。日常会話はOKとのことなので、クラス4に振り分けられる

役者チーム有志が集合して夜は飲み会。大阪の工藤さん絶好調!痛飲してしまった






5月29日(月)昼間の東京は夏の気分
今日から我が家も光ファイバーだ

狂言の稽古。練習不足で絞られる。再度ビデオ撮り

東京駅午後7時26分発の、のぞみで出発
10時2分新大阪着。地下鉄御堂筋線で女性専用車両に危うく乗り込みそうになりドキッとするが、なんばに到着。
宿泊のホテルはなかなかGood

明日から初の新歌舞伎座1ヶ月公演である